「君の名は。」感想
「引き込まれ、取り込まれるアニメ」
「君の名は。」を見てきた。
前情報とかなく、ただ出先で時間ができてしまったのと、他に見たい映画がやってなかったので見に行ったが……
ほんとにあの時気まぐれに見に行ったことは自分にとって幸運だったと言うほかない。
単に面白い映画とか、感動する映画はほかにもあるだろうけど、これほど僕の心に浸透した映画は久々だった。
見に行ってからもう二日たっているが、それでも自分が平常心に戻れていないことに自分でびっくりしているくらいだ。
瀧君と三葉の心の叫び、少し切ない結末、そしてすべての事に意味があったというそのラスト、全ての要素が僕の心をこれでもかというくらい締め付けた。
その結果映画館で一人すすり泣いてたおじさんが僕だ。
すまんな
まず映画を見ていてすぐ気づいた。
作画すげえ。。。
一枚絵のような絵が動く。
草が揺れている描写では、本当に風が吹いたかのように感じたほどだ。
どこもかしこもすごかったのだが、特に僕が心惹かれたのは光と影の描写だ。
朝の陽ざしというものを、この一枚だけでこんなにも表現できるのか……
こういった繊細で緻密な描写が、まるで自分がそこにいるかのような現実感を与えてくれていたと思う。
もちろん、ただリアルなだけではない。
この風景描写を的確に使って登場人物状況や心情を丁寧に表現していて、こういったとても繊細に積み重ねられた描写が、まるでその場でそうしているかのような臨場感を与えてくれた。
これでぐいぐい映画の世界に引き込まれていった。
楽しめた理由には主人公二人の魅力も大きいと思う。
まず三葉。
めっちゃ可愛い。
自分でも気づかないうちに瀧君にひかれて行っちゃう三葉ちゃん。
そして、居てもたっても居られなくなって会いに行っちゃう三葉ちゃん。
ドキドキしながら「瀧君、瀧君」って言っちゃう三葉ちゃん。
瀧君の一言で頑張れちゃう三葉ちゃん。
瀧君に接して恋に落ちちゃう三葉ちゃん可愛すぎるでしょう。
そして、瀧君。
非常にまっすぐで、 青臭くて、一生懸命なところがすごくかっこよかった。
なにより、後編の瀧君には心打たれた。
誰も理解はしてもらえなくても。
自分しか分からない恐怖に襲われていても。
諦めたっていいと言われても。
もうなんのために頑張るのかわからなくなってしまっていても。
もうすべて失われると気づいても。
それでも、諦めずに抱えた想いだけは忘れないようにもがき続ける瀧君。
不器用で青臭くて泥臭くて、カッコよすぎるでしょ
俺が女の子でも落ちるねこれは。
見に行く前の予想に反して、
青臭くて、熱くて、そして切ない。
そんなお話でした。
SF的にこうなるよねって途中から分かってても、そうはなって欲しくはなくて途中からずっと祈ってた。結局、案の定というかそうなってしまったんだけど、わかってたのにすごく切なくて、映画の瀧君の心情が重なって心が苦しかった。
なんでこの二人がこういう目にあるんだろうと思いつつも、こういう展開じゃなきゃ心通うこともなかったんだよな、とかいろいろ考えてしまって映画館で一人で泣いてしまった。
それに、最後は描写されないもののハッピーエンドなんだ、多少の距離はスパイスだったんだよね、きっと。
最後に。
なんか途中中だるみかなとか、この設定必要だった?とか思っててすみませんでした。
「全てがあるべきところに収まる」
まさにこの言葉通り、この映画の全てに意味があったと思う。
そしてそのすべてが、この話の根幹にかかわる運命に帰結する。
なんとなく見ていた映像、なんとない会話、それが一つに帰結していく収束感。
何をとっても僕にとっては素晴らしい映画でした。
瀧君と三葉は幸せになっていい。普通に幸せになっていいんだ……
余韻を含めて非常に満足感がありました。
初めてブログを書いてみたけど、ネタバレを避けると書きづらい事がよく分かった。
(文才がないな、と思ったことには触れないスタンス)
いずれはネタバレありで閲覧注意で書くつもり。角川スニーカーの方を含めるとまだまだ吐き出したい思いがいっぱいあるんだ。
それくらい、僕にとっては影響度の大きい映画でした。